HTTPS(SSL)対応にSEO効果はあるのか
2014年頃にGoogleがHTTPSがSEOに影響することを発表しました。
具体的にどの程度SEOに影響するのか、検証しているサイトもいくつかありますが、余り効果はなかったけど、将来的にはあるかもよ!くらいで書かれているサイトが多くてあまりピンときません。
今回、私が運営するアンテナサイトでもSEO対策の一貫として、SSL対応をしたので、私のサイトでも効果検証もしてみました。
無料SSL証明書取得
SSLに対応するためには証明書を取得する必要があります。今までは証明書を取得するためには費用がかかりましたが、2016年から「Let's Encrypt」というサービスが始まり、コマンド一発で簡単に無料のSSL証明書が取得できるようになりました。「Let's Encrypt」について解説しているサイトは沢山あるので、この記事では証明書の取得方法等の解説は省きます。
HTTP/2対応
一般的にSSLはSSLハンドシェイクの分、サーバ負荷も高まり、通信が遅くなります。そのため、今回は通信速度改善のために、HTTP/2対応も一緒に行いました。HTTP/2ではヘッダの圧縮や接続の多重化などでHTTPに比べて接続速度が改善されています。HTTP/2に対応できるのもSSLに対応するメリットになります。特に画像が多いサイトでは接続の多重化により、接続速度改善が期待できそうです。
SEOへの効果
Google Search Consoleでの比較
Google Search ConsoleはHTTPとHTTPSサイトを別々に登録する仕様なので、HTTPとHTTPSでの同じ期間での検索ボリュームを比較しています。 ちなみにSEO対応したのは6月ですが、Google Search Consoleでは過去90日分までしか閲覧できなかったので、7月〜10月の期間のグラフです。
HTTPサイトのGoogle Search Console(7月〜10月の期間)
HTTPSサイトのGoogle Search Console(7月〜10月の期間)
SEO対応したのが6月で、しばらくは、HTTPの表示も残ったままですが、9月頃から一気にHTTPの表示回数が減少し、HTTPSの表示回数が徐々に増加しています。それと同時に掲載順位も徐々に増加していっている。3ヶ月間の平均掲載順位ではHTTPに負けていますが、9月以降だけで見ればHTTPSの平均掲載順位の方が高くなりました。
PV数での比較
グラフはサイト側で記録しているgoogleからのアクセス数の推移です。
6月初めにSEO対応してからも徐々にGoogleからのアクセスは減少していたので、HTTPS対応の効果は無いという結論で終わるところでしたが、Google Search Consoleのグラフと同じように9月頃から徐々にアクセス数が増加し、今ではHTTPS対応前のアクセス数よりも増えました。
(8月頭頃にアクセス数が急減しているのは多分障害かな。気にしない。)
SSLの落とし穴
ここまでは良いことづくしのSSLですが、勿論良いことばかりではありません。アンテナサイトをSSLにする上でのデメリットを上げてみました。
ブラウザの仕様でhttpsからhttpのページにはリファラを送ることが出来ません。httpsでもリファラを送信することが出来るmetaタグも存在しますが、現時点では対応していないブラウザも多く、リファラを送れないとアクセストレードが成立しないため、アンテナサイトでは致命的です。
今回は常時SSL化は諦め、アクセストレード先にアクセスを送る際のクッションページのみhttpで作成することでこの問題を回避しました。
比較的最近のASPではSSLに対応していますが、広告代理店が独自に作ったネイティブ広告やブログパーツ型のJSなどはSSLに対応していないケースがあります。ただし、標準では非対応ですが、個別に連絡すれば対応して貰える代理店も存在するので、ここは交渉次第です。
- httpのリソースを読み込めない
httpsのページ内でhttpのリソース(画像、CSS、JSなど)が存在する場合は、混在コンテンツと呼ばれ、読み込むことが出来ません。アンテナサイト側で画像やJSなどを全て持っている場合は問題ありませんが、他サイトの画像を直リンクしている場合は、他サイトがhttpsに対応していない場合は読み込むことが出来ません。また、アダルトブログをSSL化する場合でも、SSLに対応していないアンテナサイトのブログパーツ等は表示することが出来ないので注意が必要です。
表示速度比較
ついでにHTTPS対応の対応前後での表示速度も比較してみると、HTTPS対応後のほうが若干表示速度は遅くなっていました。ただし、HTTPS対応に伴い、サーバ移行等もしているので、本当にHTTPS対応で遅くなったのかはよく分かりませんでした。
まとめ
6月からHTTPS対応以外のSEO対策はしていないので、今回の結果を見る限りでは、HTTPS対応のSEO効果は少しはありそうでした。具体的には私のアンテナサイトでは、平均掲載順位が1位上がるくらいのSEO効果でした。また、効果が見えてくるまでに3ヶ月以上かかったので、効果検証は長い目で見て上げる必要がありそうです。HTTPS対応で一気にアクセス数が倍になったりはしませんが、少しでもアクセス数を増やしたいならHTTPS対応しておくのはありかも知れません。
アンテナサイト運営状況(7月〜10月)
2chまとめアンテナの方の運営状況。
運営状況
登録サイトは増えてきていますが、PVはなかなか増えない。
他サイトにアクセスを送った場合もGA上は直帰として扱われるので、直帰率が高いのは気にしない。
そろそろ宣伝とか頑張ってPVを増やしていきたいところ。
登録サイト数
現在、90サイトを登録して、実際に継続的にアクセストレードが出来ているサイトは50サイト弱。
こちらから宣伝メールを送らなくても、週に3〜5件は新規サイトの登録申請が来るようになりました。
これはアダルトアンテナのときよりも良いペースです。
ただし、申請が来るのは零細サイトばかりなので、ある程度の規模のサイトに登録してもらうにはこちらから宣伝メールを送る必要がある。
零細サイトばかり登録しても、PVは増えないので、少しずつ登録サイトの規模を大きくしていく必要があるが、その工程が一番むずかしい。
扱うカテゴリが重要
まとめサイトは総合ジャンルを扱ってるサイトは意外に少なくて、ジャンルごとに特化したサイトが多い印象。例えば、ギャンブルや競馬をまとめているサイトはギャンブルカテゴリやギャンブル特化アンテナでないと登録してくれないケースが多い。そのため、幅広いジャンルのサイトを対象にするのであれば、扱うカテゴリも細かく分ける必要がある。ただし、カテゴリを細分化しすぎると、カテゴリによっては配信できる記事がなくなったりする。
広告
今はまだ広告は一切貼っていません。 1件、広告代理店から掲載依頼があったけど、今の規模だと多分返信してもスルーされるだろうと思って、まだ返信していません。 広告代理店とはアダルトアンテナの方で築いた関係があるので、広告代理店の担当者に2chアンテナ向けのオススメの広告掲載方法をそのうち聞いてみたい。
2chまとめアンテナは儲かるのか
アダルトアンテナは現在、GoogleのSEO関連のアップデートや、先日のブクマでもコメントいただいていた某巨大アンテナの影響もあり、アクセスが減少傾向にあるので、つい最近2chまとめアンテナを新たに開設しました。
2chまとめアンテナ市場
2chまとめアンテナとは、ここではアダルトアンテナ以外を指しています。その名の通りの2chまとめ系や、アニメ、ゲーム、スポーツ、ニュースなどジャンルは多岐に渡ります。2chまとめアンテナで有名なのは、「にゅーもふ」や「しぃアンテナ」「だめぽアンテナ」など、少し調べただけでも、アダルトアンテナのエ○タレスト級のアンテナが沢山あります。アダルトアンテナのようにエ○タレスト一強ではなく、ある程度アクセスが分散しているイメージでした。
ちなみにsimilarwebで調べたところ、「エ○タレスト」のPV数は「にゅーもふ」よりも上回っていました。「にゅーもふ」は様々なジャンルのまとめサイトが対象ですが、「エ○タレスト」はアダルトのみでこのPV数です。それは勝てるわけがない。
今から参入して儲かるのか
こればかりはやってみないと分かりませんが、アダルトに比べて、非常に競合が多いのでかなり難しいと思います。少し調べただけでも200程度のアンテナサイトが見つかりました。
上記のリンク集の中でも既に閉鎖しているアンテナもかなりありました。アンテナメーカーなどのお手軽にアンテナを作れるサービスで運営しているサイトも多いので、手軽に作って、すぐに脱落している人が多いんだと思います。
アンテナサイト運営状況
2chまとめアンテナを初めてまだ1週間くらいですが、今のところ30サイトと相互リンク・RSSを行うことが出来ました。PV数はまだ少ないですが、滑り出しは順調だと思います。今後はアダルトアンテナよりは、2chまとめアンテナの運営状況をブログで報告していく予定。
さいごに
タイトルとは全然関係ありませんが、今の会社を年内で退職して、転職活動をする予定です。Webエンジニアという職種は変えないつもりですが、雇ってくれる会社があれば是非コメントをお願いします(ぇ